はじめに|ALS介護を経験した家族として伝えたいこと
「ALS(筋萎縮性側索硬化症)」という病気をご存じでしょうか?
私は妻の母(義母)がALSを発症したことで、家族として介護に関わることになりました。
ALSは進行性で、徐々に体の自由を奪っていく病気。
介護は身体的にも精神的にも想像以上に大きな負担があります。
この記事では、私自身が義母を介護する中で直面した課題や工夫、そして家族として感じたことを正直に書きます。
同じようにALS介護に向き合っている方の参考や励みになれば嬉しいです。
ALSとは?進行と生活の変化
ALS(筋萎縮性側索硬化症)は、手足の動きだけでなく、話す・食べる・呼吸するといった生きるための機能を徐々に奪っていく進行性の病気です。
- 初期:歩きにくい、物を持ちにくい
- 中期:車椅子生活、会話が困難に
- 進行後:食事や呼吸も介助・医療機器が必要
私が義母と出会ったとき、すでに車椅子生活で、会話は文字盤を使って行っていました。
義父は在宅介護を続け、訪問看護やヘルパーを利用していましたが、家族全員が疲弊していました。
ALS介護で直面した課題
ALS介護では「本人の意思はあるのに体が動かない」という状況が続きます。
本人の辛さも、家族のもどかしさも計り知れません。
主な介護の課題
- 身体ケア:入浴・食事・排泄のサポート
- 医療機器:人工呼吸器・吸引器の管理
- コミュニケーション:文字盤・視線入力装置での会話
施設に入れる選択肢もありましたが、ALSを受け入れてくれる施設は少なく、義母の希望も「家で家族と過ごしたい」でした。
そこで私がまず取り組んだのは、快適な生活環境づくりと、義父の介護負担を減らすスケジュール作りでした。
少しずつ「家族の一員」として
ALS患者や家族の体験を発信しているブログや協会の情報は大きな支えになりました。
試行錯誤を重ね、私は義母と一番スムーズにコミュニケーションを取れるように。
ある日、義母から「娘と結婚してくれてありがとう」と伝えられたときは、胸が熱くなりました。
また、義父の負担を減らすためにケアマネ・看護師・ヘルパーと協力し、一週間のスケジュールを見直しました。
その結果、義父が安心して外出できる日が生まれ、少しずつ笑顔を取り戻せました。
ALS介護を経験して感じたこと
ALS介護は「作業」ではなく「一緒に生きる時間をどう過ごすか」だと思います。
病気の進行は止められませんが、工夫次第で快適さや笑顔を増やすことはできます。
- 家族だけで抱え込まないこと
- 専門職やサービスをうまく利用すること
- 本人の「意思」を尊重すること
これらはALS介護を通じて強く学んだことです。
同じようにALS介護をしている方へ
ALS介護は孤独を感じやすいですが、必ず支えてくれる人や制度があります。
- ALS協会や患者会に参加して情報交換する
- 訪問看護・介護サービスを積極的に利用する
- 自分自身の休息を最優先にする
どうか一人で抱え込まず、頼れる人やサービスを利用してください。
そして、自分の心と体を守ることも忘れないでください。
まとめ|ALS介護は「共に生きる」こと
ALS介護は決して楽ではありません。
でも、その中で確かに感じられる絆や温かさがあります。
この記事が、ALS介護に向き合う誰かの小さなヒントや励ましになれば嬉しいです。
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