【レスパイトケア】介護者が休むことは悪いことじゃない ― 自分を犠牲にしない介護の考え方

介護との向き合い方

「介護をしているのは家族だから」「自分がやらなきゃ」―― そう思い込んで、気づけば心も体も限界…。 私自身、義母のALSと義父の認知症の介護を経験する中で、「休むことへの罪悪感」と何度も向き合ってきました。 でも今ははっきり言えます。
介護者が休むことは、介護を続けるために必要なことです。


レスパイトケアとは?

「レスパイトケア(Respite Care)」とは、介護する人(家族など)が一時的に介護を離れて休むことを目的とした支援のことです。 介護保険制度の中では、ショートステイ(短期入所生活介護)が代表的な形として利用できます。

レスパイトケアを使うことで、介護者の疲労を軽減し、介護うつや共倒れを防ぐことができます。 これは「甘え」ではなく、家族を守るための選択なのです。


実際に感じた「休むことへの罪悪感」

義母のALSが進行していく中、在宅での介護は想像以上に大変でした。 「少しだけ休みたい」と思っても、罪悪感が先に来るんです。 でも、介護者が疲れきってしまえば、結局は介護の質も下がってしまいます。

レスパイトケアを利用したとき、初めて「気持ちがリセットできた」と感じました。 ほんの数日離れただけでも、心に余裕が戻ってくる。 その余裕があるからこそ、また優しく接することができるんです。


レスパイトケアの主な種類

  • ショートステイ(短期入所):数日〜数週間、介護施設に預けてリフレッシュ
  • デイサービス(日帰り):日中だけ通所し、入浴やレクリエーションを受けられる
  • 訪問介護・訪問看護:介護者が不在の間、専門職が自宅を訪問してサポート

いずれも介護保険を使って利用可能です。 担当のケアマネジャーに「少し休みたい」と正直に相談することから始めましょう。


利用するときのポイント

  • 「疲れた」「休みたい」と感じたら早めに相談する
  • ショートステイは混みやすいので、余裕をもって予約
  • 初めて利用する場合は、見学やお試し利用もおすすめ

そして何より大切なのは、介護者が自分を責めないこと。 「私が楽をしていいのか」ではなく、「続けるために今できることを選ぶ」という視点を持ちましょう。


介護を「1人で抱えない」ために

レスパイトケアを使うと、家族や介護職の人とコミュニケーションが生まれ、「誰かに頼る」練習にもなります。 頼ることは弱さではなく、継続するための工夫。 介護者が心身ともに元気でいることが、結果的に家族全体の幸せにつながります。


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まとめ

介護者が「休む」ことは、決して悪いことではありません。 それは、介護を続けていくための前向きな選択。 あなたの心と体を守ることが、最終的には家族のためになります。

少しでも疲れを感じたら、「レスパイトケア」という選択肢を思い出してください。

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